第２次安倍政権が掲げたアベノミクスの下、大規模な金融緩和を主導してきた日本銀行の黒田総裁、退任を前にした会見では、これまで通り緩和の効果や成果を強調、異例の金融緩和がもたらした副作用や課題について具体的に語ることはほとんどなかった。

大規模な金融緩和にも関わらず、日本経済の実力を示す潜在成長力が低迷したことについて問われると、「もっと下がるものが下がらなくて済んだ」との見方を示し、人々の物価観を変えられず、物価目標を達成できなかったことが失敗ではと問われた際には、「そういうふうに全く思っておりません」と否定した。

「デフレから脱却させた」とは到底言えないことが分かっているにもかかわらず、従来からの姿勢を崩すことなく自身の正当性を主張するばかりで、結局手を打とうにも打てない状況のまま後任に放り投げてしまったタコ総裁。

国民のための日銀から政府に忖度する日銀になり下がった 10年。

この間のつけは大きい。