組織委員会の理事約20人が、23日に行われる東京五輪開会式の中止か、簡素化への変更を同組織委・武藤敏郎事務総長に申し入れていたことが分かった。

同理事らは21日に五輪・パラリンピックの開閉会式の楽曲を担当する小山田圭吾氏のいじめ問題について、22日には開閉会式の制作・演出チームで「ショーディレクター」として統括役を務めていたた小林賢太郎氏のホロコーストを揶揄（やゆ）する発言について、臨時にオンラインでの会議を行った。

ある理事は、「小林氏は開会式の演出全体の調整役と聞いている。それだけに、これまで通りの演出で開会式を行えば、世界中に小林氏の発言を認めたと取られてしまう」と危機感を露わにしたという。

そのため小林氏が演出に一切関わってない開会式にするためには、中止にするか、各国・地域の選手の入場行進、聖火点火、開会宣言のシンプルなものにするしかないと、会議に出席した理事全員が同意したという。

開会式の式典の変更については、ＩＯＣ総会での承認が必要という規約を理解した上で、開会式の時間が大幅に短くなり、高額な放映権料を払っている米ＮＢＣからはクレームが出るかもしれないが、今回の問題の重要さを考えたら理解をされるのではないかとの意見も出たという。

この要望について、武藤総長に記者会見で明らかにするよう求めていたが、この日夜の会見は開かれず、「予定通りに行う」と組織委は声明を出した。

オンライン会議では、小山田氏の続投を当初、武藤総長が容認したことに、非難の声が相次いだという。

また、情報が理事になかなか伝わってこないことや、今回の不祥事の際にも臨時理事会などが開かれないことに不信感が高まっている。

森から橋本へ会長が代わってからも、幹部数人で決定する悪しき体質は何ら変わっていないということが露見した事件。

そもそも森と一緒に武藤を代えなかった組織委が問題なのだが。

組織委と言えば、森を名誉最高顧問に就ける案を検討していることが、明らかになった。

どこまで国民のひんしゅくを買えば気が済むのだろうか？